2008年のニュース

天皇誕生日祝賀レセプションの開催

[2008年12月9日プラハ]天皇誕生日レセプションがプラハ市内ヒルトンホテルで、ブルチェク下院議長の出席も得て、盛大に開催されました。原田大使から、天皇陛下の誕生日に際しての祝意に続き、経済関係や文化交流を例示しつつ、日本とチェコは多方面で大変良好な関係にあり、また、共通の価値観を有する両国は国際場裏でも種々の協力を行っていることに言及の上、チェコは明年EU議長国に就任するが、その機会を最大限に活用し、EU関係のみならず、二国間や多国間での関係、協力を一層強化していきたい旨挨拶を行いました。ブルチェク下院議長からは、日本がチェコにとってアジア諸国の中でも重要なパートナーであるとし、文化、特に音楽での交流や、多くの日本企業がチェコで活躍していることに触れつつ、今後とも両国民がよりよい未来に向けて協力していくことを祈念しているとの挨拶がありました。

左:ブルチェク下院議長、右:原田大使

ブルチェク下院議長(中央)と原田大使夫妻

外国人叙勲

[2008年11月3日]日本政府はチェコのハナ・コトラージョヴァー氏の27年間にわたる在チェコ日本国大使館における卓越した働きに対し、瑞宝双光章を叙することを発表しました。

コトラージョヴァー氏は、プラハ市出身で、カレル大学哲学部日本学科にて日本語を学んだ後、1981年から在チェコ日本国大使館で働き始めた。日本国大使館では、27年間の勤務期間のうち、20年以上を広報文化担当として精勤しました。

特に、同氏は、個人的にも文学、折り紙、盆栽、武道など幅広い日本文化に強い関心を持ち、折り紙のデモンストレーションでは自ら講師を務める等、大使館が行う日本文化紹介事業に多大な貢献をしました。

後日、日本政府を代表し、原田親仁駐チェコ特命全権大使より、コトラージョヴァー氏に対し、勲章の伝達を行う予定となっています。

原田親仁大使の着任

[2008年10月10日]原田親仁大使がチェコに着任しました。その後、10月15日に大統領府(プラハ城内)にて、クラウス・チェコ大統領に天皇陛下から託された信任状を捧呈(提出)し、駐チェコ日本国特命全権大使としての職務を正式に始めました。

原田大使の略歴

チェコ・日科学技術の日

[2008年5月13〜15日プラハ]今年で4回目を数える「チェコ・日科学技術の日」が、プラハにて開催されました。初日のモーニングセッションでは、トポラーネク首相、ポヤール外務次官、ルージュイチュカ文部次官、峯野NECヨーロッパ社会長兼社長、熊澤在チェコ日本国大使がスピーチを行い、産官学連携による科学技術の活用や、科学技術分野での両国間の協力の重要性について強調しました。

その後行われたワーキングセッション、パネルディスカッションでは、研究開発における協力や、環境などより具体的な分野での技術活用について、日・チェコの企業、学術機関、政府関係者が参加し、熱心な議論が行われました。

 

チェコの政財界人等を招いた「SUSHI PARTY」の開催

[2008年4月10日プラハ] この「SUSHI PARTY」は昨年10月に引き続き2回目の開催ですが、ヤンダーク元文化大臣、コピツォヴァー元教育大臣、ブラツキー・チェコ日本友好議員連盟会長、ミュシャ・ミュシャ財団理事長ほか、チェコの政治・経済・文化関係者、アジア各国大使、日系企業代表者が多数出席し、盛大な催しとなりました。当日、参加した方々からは、おいしいばかりでなく、美しく、大変満足したとの声が聞かれました。

 

新年冒頭の御挨拶

2008年1月
駐チェコ日本国大使
熊澤 英昭

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。新年を迎えるに当たり、御挨拶とともに、本年の私どもの抱負を申し上げたいと存じます。

昨年は、日・チェコ国交回復50周年記念の年であり、2月にはクラウス大統領夫妻及びシュワルツェンベルグ外務大臣が訪日し、天皇皇后両陛下と御会見を行うとともに、広島、大分の各都市を訪れ、日本とチェコの緊密な関係を両国にアピールする良い機会となりました。

経済面では、当地に進出している日系企業数は昨年までで200社強と、この10年間でその数は4倍以上となり、チェコにおける日系企業の活躍には目覚ましいものがあります。昨年は、トポラーネク首相を公邸に招いて、当地の日系企業の代表者と会食しながら懇談する機会を得ることができました。これもチェコにとって日系企業が重要な位置を占めていることを象徴する出来事だったと思います。他方、これだけの数の日系企業及び日本人がチェコで活躍していくためには、チェコ社会にどのように融け込んでいくかを考えていくことも重要となっています。チェコにいらっしゃる皆様におかれましても、今までにも増して、チェコ社会に貢献できるような活動を行っていただければ幸いです。当館としても、そのために最大限の支援をしていく所存です。

文化面でも昨年も様々な日本文化紹介イベントを行いました。中でも、日・チェコ国交回復50周年を記念してオパヴァで行われたオペラ「夕鶴」の公演は、チェコ人により日本語で行われ、大変好評を博しました。また、ブルノに新たに日本センターがオープンし、日・チェコの友好関係を深めるための拠点となっています。このように、地方においても日本文化を紹介する機会が増えたことは、チェコにおける日本文化の広がりを感じるものでした。さらに、昨年は、アジア13か国の大使館が協力して、「Many Colours of Asia」というアジア各国の文化紹介イベントを初めて行いました。これを通して、チェコにおけるアジア各国の連携が深まるとともに、アジアの文化の多様性をチェコに紹介できたのではないかと考えています。

こうした良好な経済・文化関係等を反映して、昨年10月時点で、在留邦人数も1700人を超え、それに伴い日本人学校の生徒も140人を超えました。また、日本からの観光客も年間15万人近くに達しています。チェコは基本的に治安の良いところですが、スリ・置き引きの被害に遭う日本人も依然として多くいます。チェコもシェンゲン協定に加盟し、今後、人の移動が自由になるというメリットとともに、犯罪被害が増加する可能性も排除できません。当館で作成している「安全の手引き」には犯罪の事例とともに対応策についても触れています。改めて、ご一読いただければ幸いです。

このように国交回復50周年という節目の年であった昨年の両国関係は、政治、経済、文化の分野で大きな成果がありました。昨年12月の天皇誕生日レセプションにトポラーネク首相やクラウス大統領夫人のご列席が得られたことは、まさに両国の友好関係を象徴していると思います。

今年から来年にかけては、我が国では7月に北海道洞爺湖サミットが開催され、チェコでは来年前半に初めてEU議長国に就任するなど、両国でそれぞれ大きな国際的な行事や活動が予定されています。このような国際場裏に現在の良好な二国間関係を改めて位置付け、さらなる発展を目指して尽力するとともに、チェコにおける経済・文化活動、さらには日々の生活を最大限に支援していく所存です。本年も、当館業務に対し、引き続き温かいご支援・ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

チェコは欧州の中でも比較的治安の良い国ですが、最近の傾向として、スリ・置き引きなどの従来の犯罪に加えて、身体に直接危害が及ぶような事案も少しずつ耳にするようになっています。当館では、そうした傾向も踏まえて、「安全の手引き」という小冊子を作成し、配布しています。この小冊子には、いくつかの事例を分かりやすく掲載し、それらへの対応策についても触れています。特に、チェコにお住まいの方々は、ご家族、お知り合いの方々とともに、ぜひご一読頂くようお願い申し上げます。また、当館ではチェコに滞在される日本人が、安全に安心して暮らせるよう、これからも尽力して参ります。