第1回~第3回 日本文化探訪講演会
平成19年11月に 3回に亘って「日本文化探訪講演会」が当館広報文化センターにて開催されました。チェコの専門家を講師に招き、日本文化を様々な角度から紹介するというもので、テーマは、チェコの一般市民が普段触れることの少ない「俳句」(第1回)、「豆腐」(第2回)、「日本の医学」(第3回)でした。各分野において経験豊かな講師の下、専門的ながらも初心者にも分かり易い講演が行われました。
第1回講演会では、プラハで日本語教育に携わるデニサ・ヴォストラー氏により、俳句一般についての説明、正岡子規が現代俳句の形成に果たした役割や外国人による俳句が紹介されました。聴講者の中には、俳句を自分で作ってみたいと言う方もあり、熱心に質問をされていました。第2回講演会では、日本に留学し、実際に豆腐作りを学んだ経験のあるイレナ・ホラーコヴァー氏によって、大豆製品に含まれる栄養、豆腐の製造過程の説明、豆腐を使った料理の紹介がされました。講演の最後には豆腐、豆乳を含め、様々な大豆製品の試食の機会も設けられ、聴講者は大豆製品の多様さに関心を示し、豆腐はもとより、豆乳、おからハンバーグ、大豆と昆布の煮物等の試食を楽しんでいる様子でした。第3回講演会では、日本留学中に禅と医学を研究していたディタ・サーロヴァー氏が、日本の医学の発展の歴史的背景、神道及び仏教の日本医学への影響等について講演をしました。聴講者の関心は、西洋と日本の医学の対比に寄せられ、医学へのアプローチの仕方の違いについての質問が幾つも出されました。
このように、第1回から第3回までの「日本文化探訪講演会」は、アットホームな雰囲気の中、質疑応答の場面では、色々な質問がされ、活気あるものとなりました。次回日本文化探訪講演会は「1990年代以降の現代日本映画」をテーマとし、カレル大学日本学科助教授のマルティン・ティララ氏を講師に招いて、明年1月に実施する予定です。1月中旬に国際交流基金、チェコ日本友好協会との共催の下、プラハ市で「東欧巡回日本映画祭」が行われるため、現代の邦画をチェコの皆さんに紹介する良い機会になることを期待しています(日本映画祭と講演会の日程等、詳細については当館ホームページをご覧下さい)。
第1回講演会「俳句」
(講師:デニサ・ヴォストラー氏)
第2回講演会「豆腐」
(講師:イレナ・ホラーコヴァー氏)
聴講者に対して豆腐、豆乳、おから等の大豆製品の説明をする
ホラーコヴァー講師
第3回講演会「日本の医学」
(講師:ディタ・サーロヴァー氏)
丹波康頼について説明するサーロヴァー講師